不動産所得の計算

総収入金額と必要経費の範囲、礼金・敷金の扱い、土地取得利子の損益通算特例、事業的規模の判定を整理します。

アパートや駐車場の賃貸で得る所得が不動産所得です。2級では、総収入金額と必要経費の範囲、損益通算の特例、事業的規模の判定が問われます。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

アパートの家賃収入って、そのまま全部が所得になるの?

橘 美咲 先生(笑顔) 橘 美咲 先生

いいえ。不動産所得=総収入金額−必要経費で計算するの。
青色申告なら、さらに青色申告特別控除を差し引けるわ。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

総収入金額には家賃のほか、返還を要しない礼金や更新料が含まれます。
一方、預かっているだけで退去時に返す敷金・保証金は、返還を要する部分は収入になりません。

星野 ひな(普段) 星野 ひな

必要経費には、どんなものが入るんですかぁ?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

建物の減価償却費、固定資産税、修繕費、火災保険料、管理費、借入金の利子などよ。
ただし借入金のうち元本の返済部分は経費にならないの(利子部分だけが経費)。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

不動産所得が赤字になったら、給料と通算できるんだよね?

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

できます。
不動産所得の損失は損益通算の対象です。
ただし、損失のうち土地等を取得するための借入金の利子に対応する部分は、損益通算の対象になりません。

星野 ひな(普段) 星野 ひな

貸している部屋数によって、扱いが変わるって聞きましたけど?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

事業的規模の判定ね。
目安は『5棟10室』で、独立家屋なら5棟以上、貸室なら10室以上だと事業的規模とされ、青色申告特別控除65万円や専従者給与などで有利になるの。
規模にかかわらず所得区分は不動産所得のままよ。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

整理すると、不動産所得=総収入−必要経費、礼金は収入・敷金の返還分は収入外、元本返済は経費外、損益通算できるが土地取得の借入金利子分は対象外、事業的規模は5棟10室、です。

高梨 ひまり(笑い) 高梨 ひまり

礼金は収入・敷金は収入外、元本は経費外、土地の借入金利子は通算不可、5棟10室で事業的規模…計算の勘所だね!

確認クイズ

不動産所得に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 賃貸の際に受け取る敷金・保証金のうち、退去時に返還を要する部分は、受け取った年の総収入金額に算入する
  2. 不動産賃貸に係る借入金の元本の返済額は、不動産所得の必要経費に算入できる
  3. 不動産所得の金額の計算上生じた損失のうち、土地等の取得に要した借入金の利子に対応する部分は、損益通算の対象とならない
  4. 不動産の貸付けが事業的規模で行われている場合、その所得は事業所得となる
こたえを見る

正解: 3. 不動産所得の金額の計算上生じた損失のうち、土地等の取得に要した借入金の利子に対応する部分は、損益通算の対象とならない

正解は3。不動産所得の損失のうち、土地等の取得に要した借入金の利子に対応する部分は損益通算の対象とならない。1は誤り(返還を要する敷金・保証金は収入に算入しない)。2は誤り(必要経費になるのは借入金の利子部分で、元本の返済額は経費にならない)。4は誤り(事業的規模であっても所得区分は不動産所得)。

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