赤字が出た所得を、他の黒字の所得と相殺できるのが損益通算です。どの所得の赤字が対象になるか、そして通算しきれない損失の繰越しを押さえましょう。
ある所得で損したら、他の所得の税金を減らせるの?
それが損益通算よ。
ただし赤字を通算できる所得は決まっているの。
頭文字をとって『不事山譲(ふ・じ・さん・じょう)』と覚えるわ。
不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つの損失が損益通算の対象です。
他の所得の赤字(たとえば雑所得の赤字)は原則通算できません。
不動産や譲渡でも、通算できない損失があるって聞きましたけど…
鋭いわね。
不動産所得の損失のうち、土地取得のための借入金利子に対応する部分は通算できないの。
また、生活に通常必要でない資産(別荘や高級車など)の譲渡損失も対象外よ。
株の売却損は、給料と通算できるの?
できません。
上場株式等の譲渡損失は、給与所得などとは通算できず、上場株式等の配当所得等との間でのみ損益通算が可能です(申告分離課税を選択した場合)。
通算しても引ききれなかった損は、消えちゃうんですかぁ?
いいえ、繰越控除があるわ。
青色申告者の事業所得等の損失(純損失)は、翌年以降3年間繰り越せるの。
上場株式等の譲渡損失も申告により3年間繰り越せるわ。
整理すると、通算できるのは『不事山譲』の4所得の損失、土地取得の借入金利子と株式損失には特例、引ききれない分は3年繰越し、です。
『不事山譲』で通算、引ききれなければ3年繰越し…語呂で覚えれば忘れないね!
確認クイズ
損益通算に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 雑所得の金額の計算上生じた損失は、給与所得の金額と損益通算することができる
- 事業所得の金額の計算上生じた損失は、他の所得の金額と損益通算することができる
- 上場株式の譲渡損失は、給与所得の金額と損益通算することができる
- 不動産所得の損失は、その全額が無条件に損益通算の対象となる
こたえを見る
正解: 2. 事業所得の金額の計算上生じた損失は、他の所得の金額と損益通算することができる
正解は2。事業所得の損失は損益通算の対象(不事山譲の一つ)。1は誤り(雑所得の損失は損益通算できない)。3は誤り(上場株式の譲渡損失は給与所得と通算できず、配当所得等とのみ通算可)。4は誤り(不動産所得の損失のうち土地取得の借入金利子分は通算できない)。