財産評価と事業承継対策

上場株式・取引相場のない株式の評価方式と、事業承継税制など中小企業の承継対策を整理します。

相続財産には宅地以外にもさまざまなものがあります。上場株式や取引相場のない株式の評価、そして中小企業の円滑な引継ぎを支える事業承継の考え方を押さえましょう。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

土地以外の財産って、どうやって評価するの?
株とか。

橘 美咲 先生(笑顔) 橘 美咲 先生

上場株式は、原則として『課税時期の終値』などの中から最も低い価額で評価するの。
具体的には、課税時期の終値、当月・前月・前々月の毎日の終値の月平均額の4つのうち、最も低い額よ。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

問題は取引相場のない株式(非上場株式)です。
会社の規模や株主の立場に応じて、類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式などで評価します。

星野 ひな(普段) 星野 ひな

それぞれ、どんな考え方で評価するんですかぁ?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

類似業種比準方式は、事業が似た上場企業の株価と比べて評価するの。純資産価額方式は、会社を解散したと仮定した1株あたりの純資産で評価するのよ。
少数株主には配当還元方式が使われるわ。

高梨 ひまり(普段) 高梨 ひまり

会社を子どもに継がせるとき、株の相続税が大変そう…

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

そこで事業承継税制(非上場株式等の納税猶予・免除の特例)があります。
一定の要件を満たすと、後継者が取得した自社株式に対応する相続税・贈与税の納税が猶予され、最終的に免除される制度です。

星野 ひな(普段) 星野 ひな

ほかにも、事業承継を円滑にする工夫はあるんですかぁ?

橘 美咲 先生(普段) 橘 美咲 先生

あるわ。
後継者に自社株を集中させるために遺言や生前贈与を活用したり、相続時の争いを防ぐ遺留分に関する民法特例を使ったり、経営者保険で納税資金を準備したりするの。

佐倉 葵(普段) 佐倉 葵

整理すると、上場株式は4つのうち最低額、非上場は類似業種比準・純資産価額・配当還元、事業承継税制で株式の納税猶予・免除、です。
ここまでで6分野が一通りそろいました。

高梨 ひまり(笑い) 高梨 ひまり

上場株は4つで一番低い額、非上場は3方式、事業承継税制で納税猶予…最後まで計算と制度だったね!
お疲れさま!

確認クイズ

財産評価および事業承継に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 上場株式は、課税時期の終値のみによって評価され、月平均額は考慮されない
  2. 取引相場のない株式(非上場株式)の評価方式には、類似業種比準方式や純資産価額方式などがある
  3. 類似業種比準方式は、評価会社を解散したと仮定した場合の1株当たり純資産額により評価する方式である
  4. 事業承継税制(非上場株式等の納税猶予・免除の特例)は、上場株式を対象とする制度である
こたえを見る

正解: 2. 取引相場のない株式(非上場株式)の評価方式には、類似業種比準方式や純資産価額方式などがある

正解は2。取引相場のない株式の評価には、類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式などがある。1は誤り(上場株式は終値と当月・前月・前々月の月平均額の4つのうち最も低い額で評価)。3は誤り(解散を仮定した純資産で評価するのは純資産価額方式)。4は誤り(事業承継税制は非上場株式等を対象とする)。

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