従業員や経営者の退職金を準備する公的な共済制度が『中退共』と『小規模企業共済』です。誰のための制度か、掛金や税制上の扱いはどうかを、混同しないよう整理しましょう。
会社の従業員の退職金を、国の制度で準備できるって聞いたよ?
中小企業退職金共済(中退共)ね。
中小企業の従業員の退職金を、事業主が掛金を出して外部に積み立てる制度よ。
勤労者退職金共済機構が運営しているの。
中退共の掛金は全額事業主負担で、従業員は負担しません。
掛金は法人なら損金、個人事業主なら必要経費に算入できます。
原則として全従業員を加入させる必要があります。
退職金は、誰にどう支払われるんですかぁ?
退職金は機構から従業員本人に直接支払われるの。
事業主を経由しないのがポイントよ。
新規加入時には掛金の一部を国が助成する制度もあるわ。
経営者自身の退職金は、中退共では準備できないの?
できません。
原則として役員は中退共に加入できません。
経営者・個人事業主自身の退職金づくりには小規模企業共済を使います。
対象が『従業員』か『経営者本人』かで制度が分かれます。
小規模企業共済の掛金は、税金の面でどうなるんですかぁ?
小規模企業共済の掛金は、その全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除になるの。
受け取る共済金は、一括なら退職所得、分割なら公的年金等の雑所得として扱われるわ。
整理すると、中退共は従業員向け・掛金全額事業主負担・本人へ直接支給、小規模企業共済は経営者本人向け・掛金は全額所得控除、です。
中退共は従業員・事業主が掛金、小規模企業共済は経営者本人・全額所得控除…対象と税制で区別だね!
確認クイズ
中小企業退職金共済(中退共)および小規模企業共済に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 中小企業退職金共済の掛金は、事業主と従業員が折半して負担する
- 中小企業退職金共済の退職金は、事業主を通じて従業員に支払われる
- 小規模企業共済の掛金は、その全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となる
- 会社の役員は、中小企業退職金共済に原則として加入することができる
こたえを見る
正解: 3. 小規模企業共済の掛金は、その全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となる
正解は3。小規模企業共済の掛金は、その全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となる。1は誤り(中退共の掛金は全額事業主負担)。2は誤り(退職金は機構から従業員本人へ直接支払われる)。4は誤り(役員は原則として中退共に加入できない)。